コロナワクチン接種後、5割以上に“ノセボ効果”あり
- 2022.01.28
皆さん、こんにちは。鴻池新田の心療内科、「心のクリニック三木医院」の院長、三木です。
巷では新型コロナウイルス『オミクロン株』の出現により、史上最大のパンデミックが起こっていますね。
これはひとえに、ワクチン2回目接種から時間が経って効果が減弱しているからであって、3回目“ブースター接種”を完了している人は引き続き感染予防がなされているという事実があります。
厚生労働省の「新型コロナワクチンQ&A」にも、その話が載ってありますので、お時間ある時にご一読ください。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0111.html
オミクロン株は、一部の有名人・芸能人が、さも「危険じゃない」かのように吹聴しておりますが、相変わらず入院を要す重篤な肺炎症状や死亡例、また「ブレインフォグ」と呼ばれる後遺症の情報もある事から、決して軽視してはならないウイルスです。
さて先日、面白い文献がMedical Tribune(医師用の情報サイト)で紹介されていたので、ここに紹介します。
それがこの表題の、ワクチン接種後の“ノセボ効果”について発表された文献です。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2788172
皆さんは「ブラセボ効果」はご存じの方も多いと思います。本来効果がないはずのモノが「効いてる」と感じる、よく通販の健康食品が大々的に広告を出してさも効くかのように宣伝するアレです。
その逆が「ノセボ効果」です。これは、薬の副作用を気にしすぎた結果、本来出ないはずの症状が出たり、元の症状が悪化するといった反応のことを言います。
この研究は、“ワクチンを接種された”と思って実は有効成分の入っていない生理食塩水を接種された人たちが、どんな“副反応”を示すか、という研究をまとめた、掲載誌・内容とも一流の文献です。
これによると、
① 本物のワクチンを打たれた人たちは、1回目と比べて2回目の方が副反応が多く出現しているが、偽ワクチン群の方は、1回目と比べて2回目の方が副反応が減っている。
② その2回目の時でも、全身性副反応が31%、局所性副反応が11%、出現している。
③ 本物ワクチン群と、偽ワクチン群との副反応の「発現率の比」を解析した結果、偽ワクチン群の人たちに出現していた副反応は、1回目接種後は全身性副反応の76%と局所性副反応の24%が、2回目接種後は全身性副反応の51%と局所性副反応の16%が、それぞれ「ノセボ効果」に相当する。
という事でした。
これを踏まえてこの発表者は、「副反応の情報の先入観が、副反応に対する不安や懸念という、ノセボ効果を生むメカニズムを増強しており、ワクチンを接種しなくても発生した可能性のある症状をワクチンの副反応だと誤認している恐れがある」と指摘しています。
これから言えることは、つまり、「副反応を恐れずワクチンを接種しましょう!」となりますでしょうか。
皆さん今日も一日、引き続き感染予防に努めていきましょう。