「ワクチン3回目“ブースター”接種」は真に有効か?

  • 2021.09.25

皆さん、こんにちは。鴻池新田の心療内科「心のクリニック三木医院」の院長、三木です。

さて日本もようやくワクチン接種が進み、ついに米国の接種率を超えましたね。大変喜ばしいことです。

NHKの新型コロナウイルス特設サイトより。

そうなると次は、「3回目が必要なの?」という議論になってくるでしょう。本年5月にアップした当ブログ内でも「来年にはワイドショーで3回目接種の話題があるでしょう」などと書いていましたが、思ったより早く議題に出てきそうな雰囲気です。

ここで、本当に3回目の「ブースター接種」に意味があるのかについて、一流医学誌からデータが出ましたので紹介します(原文は下記 NEJM/英文)。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2114255

これは、60歳以上の(ファイザー製の)2回接種完了者に対して、3回目接種を(2回目から5ヶ月以上あけて)接種した人と、接種していない人を比べたものです。

これによると、ブースター接種した人たち(3回目接種後、少なくとも12日以上経過した人たち)は、それを接種していない人たちと比べて、感染率が11.3倍低く、また、重症化率は19.5倍低かった、とのことです。

また、ブースター接種した人たちの中でも、12日以上経過した人と4~6日しか経ってない人とでは、12日以上経過した人の方が感染率が5.4倍低かった、とのことです。

この事から言えることは、少なくとも高齢者の方々にとっては、3回目のブースター接種は意味のあるものだ、と言えるのではないでしょうか。

ただ、現在の流行が相変わらず「未接種者のパンデミック」(2021/9/9、バイデン大統領の演説から引用)である限り、まずは1,2回目接種を最優先とする施策が重要であることは変わりません。

皆さん今日も一日、感染予防に努めていきましょう。

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